移動通信システムが5Gに至るまでの歴史

最近5Gが話題になる機会が増えたことで、エンジニアからの注目度も高まっています。移動通信システムが日常にあって当然の現在は、通信に求めるものが速度やデータ容量などに変化しています。過去をさかのぼると、飛行機や船、列車以外の移動通信手段が登場したのは1979年のことでした。NTTの前身である日本電信電話公社が提供した自動車電話は、当時大きな話題となりました。自動車電話では1Gが活用され、そこから10年ぐらいの周期で5Gにまで進化してきました。

1Gから3Gまでの歴史

1Gが本格的に普及したのは1980年代で、1985年ごろには「ショルダーホン」が登場し、その2年後には携帯電話が登場しました。1Gは、音声を信号に変換させて通信するアナログ方式なので、通話は音声のみです。通信の品質や通信距離には多くの課題があり、現在ほど便利に活用できるものではありませんでした。その後、技術開発の方向性がデジタル方式にシフトし、1990年代にはデジタル方式の2Gが主流となりました。データ通信が1Gよりも簡単になったことで、メールの送受信やインターネット回線の利用も増えました。2G時代で代表的なのが、NTTドコモの「iモード」です。着信メロディや待受画面を選べるようになり、モバイルバンキングや地図検索も可能になりました。これに続くように、KDDIの前身であるDDIセルラーの「EZ web」、ソフトバンクの前身であるJ-フォンの「J-スカイ」のサービスが開始されました。
2000年台に突入すると通信はさらに速くなり、2Gから初の国際基準でもある3Gへ移行しました。最高でも30kbps以下だった通信速度は384kbps~14Mbpsにまで向上し、「着うた」などをはじめとする大容量のデータ通信が可能になりました。2008年にはソフトバンクから「iPhone3G」が発売され、3Gの時代へと突入していきました。スマートフォンの利用者が一気に増えた2010年代、高速、大容量通信時代の流れを支えたのが4Gです。通信速度は50Mbps~1Gbpsになり、動画やゲームなどの大容量データのコンテンツを誰もが快適に利用できるようになりました。
そこからさらなる快適性を求め、時代は5Gへと変化しようとしています。4Gは主にスマートフォンを意識した技術でしたが、これからはさらに領域を広げた「モバイルネットワーク技術」です。インターネットが繋がるのは、もはやスマートフォンやタブレットだけではないIoTの時代です。これを可能にするためには、「超高速・大容量通信」「多数同時接続」「超低遅延」の5G技術が欠かせないのです。

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  • あなたは理解している?5Gについて

    5G(5th Generation)は日本語で「第5世代移動通信システム」という意味です。5Gの特徴として代表的なのが、超高速と表現される通信速度の速さです。例えば、4Gだと世界で150億台の携帯電話が接続できるのに対し、5Gは1,500兆台です。5Gの技術を支えているのは、「高周波数帯の使用」と「超多素子アンテナ」です。高周波数帯には障害物によって電波が途切れるという弱点がありますが、弱点を克服する技術の研究も進んでいます。

  • エンジニアの需要

    5Gの時代になると、人間の仕事がAIに奪われてしまうのではないかといわれます。AIが進化すればエンジニアの業務内容は4Gまでの時代とは異なるものになるかもしれませんが、仕事がなくなることはありません。5Gの時代にエンジニアが活躍するのは大変なことですが、市場価値を高めるチャンスと考えることもできます。これから5Gエンジニアを目指すなら、プログラミングが好きで作業が苦にならないかどうか、よく自己吟味してみる必要があるでしょう。

  • 転職先の探し方4つ

    エンジニアとして5Gの仕事に関わるために転職を考えているならば、まずはどのような求人があるかをチェックしてみましょう。インターネットで検索すればすぐにエンジニア求人を見つけることができます。ハローワークや求人紹介サイトも便利ですが、本格的に転職活動をするなら転職支援サイトがおすすめです。目当ての企業が自社サイトで募集しているなら直接応募できるでしょう。友人・知人からの紹介で転職する「リファラル採用」も注目されています。

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